交通誘導員は社会保険に入れるの？

万が一の時に、従業員やその家族を守るための制度・社会保険。交通誘導員として働く際には、この社会保険に自分が加入できるかどうかを知っておく必要があるといえるでしょう。そこでこの記事では、社会保険について詳しく解説をしています。社会保険の加入条件や、加入するメリットなどをまとめました。

回答：答えは「ケースバイケース」

「交通誘導員は社会保険に入れるの？」という疑問に対する答えは「ケースバイケース」です。

これは、所属する会社や雇用形態などの条件により異なるため。社会保険に加入するとさまざまなメリットがあることから、働く前には自分が社会保険の加入対象となるかどうかをしっかりと確認しておきましょう。

警備会社によって異なる

「社会保険に加入できるのか」という点については、警備会社や雇用形態によって異なります。規模の大きな企業などは福利厚生がしっかりと整えられていることもあり、社会保険にも加入できます。

その反面、小規模の会社で働く場合には、社会保険についてどうなっているのかを確認する必要があるといえるでしょう。正社員として雇用される場合は、ほとんどの場合社会保険への加入が可能と考えられますが、アルバイトとして働く場合には法律で定められた労働時間を満たすなど、条件を満たす必要があります。

社会保険に加入するとさまざまなメリットが得られるため、仕事をする上ではぜひ加入しておきたいものです。社会保険に加入できるかどうかという点は、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

社会保険はどのように加入すれば良いの？

社会保険への加入手続きは会社で行いますが、一般的には週30時間以上働く人が加入の対象となっています。ただし、平成28年10月には加入対象の幅が広げられることが発表され、アルバイトやパートなど短時間の労働者でも社会保険に加入できるようになりました。

厚生労働省のホームページによると、社会保険に加入できる人の条件は下記の通りとなっています。

• 1週間あたりの所定労働時間が20時間以上である場合
• 1ヶ月あたりの所定内賃金が88,000円以上である場合
• 雇用期間の見込みが1年以上である場合
• 学生ではない場合
• 「従業員501人以上の会社で働いている」もしくは「従業員500人以下の会社の場合、社会保険に加入する際に労使で合意がある」という条件に当てはまる場合

※参照：厚生労働省「平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています！」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/2810tekiyoukakudai.html

上記に挙げた加入条件に当てはまる方は、一度会社に相談してみましょう。

社会保険に入るメリット

社会保険料は毎月の給与から引かれる形になるため、加入する必要があるのか疑問に感じる方もいるかもしれません。しかし、社会保険は万が一の時に自分や家族の生活を守ってくれるもの。ここでは、社会保険に加入するメリットについてご紹介します。

失業をしたときのために

まず、社会保険のうち雇用保険に加入している場合、万が一失業してしまっても次の就職先が決まるまで一定額の失業手当を受給することができます。この制度は、失業中の生活を守るために設けられているものです。

さらに、収入がないと焦って転職先を決めてしまい、後から後悔するという可能性も考えられます。このような状況を防ぐためにも、失業手当を給付することで、落ち着いて次の就職先を探せるように経済的にサポートする、という意味合いも含まれています。失業手当を受給するためには、ハローワークにて手続きを行う必要があります。

ケガをした時のために

労災保険とは、正式には「労働者災害補償保険」と呼ばれるもので、雇用されている人が仕事中や通勤中に起きた出来事によってケガ・病気・障害を負った場合、あるいは死亡した場合に給付が行われる制度です。

保険給付を行うことによって、労働者や遺族の生活の経済的なサポートを行うために用意されている社会保険です。

ケガや病気の治療のために

健康保険とは、ケガや病気の治療にあたって医療給付や手当金を給付するための社会保険です。健康保険に加入している場合には、病院での自己負担額が3割となるため、自己負担を軽減することができるようになります。

国民健康保険と同じ役割を果たすものですが、健康保険は会社と従業員の間で保険料を折半するという特徴があり、保険料の自己負担も少なく済むケースが多くなっています（国民健康保険の保険料は全額自己負担です）。

将来の年金のために

厚生年金保険に加入することで、将来手にできる年金額を増やすことができます。

国民年金のみに加入している場合、将来もらえる年金は「基礎年金」のみとなりますが、社会保険に加入している場合には「基礎年金＋厚生年金」となり、より多くの年金を受け取れるという計算になります。

また、こちらも保険料は会社との折半となりますので、負担する保険料額も抑えることができる点もメリットです。

介護が必要となった時のために

介護を必要とする高齢者を支えるために制度として作られた社会保険が介護保険です。

介護保険制度の被保険者となるのは、「65歳以上」または「40〜64歳の医療保険加入者」の2種類。65歳以上になると原因は問わず要支援・要介護の状態になった場合に介護保険サービスを受けられます。また、40〜64歳の場合は、末期ガンや関節リウマチなど特定の疾患によって要支援・要介護状態になると介護保険サービスを受けることが可能になります。

そのほかのメリット

上記に挙げたメリットのほかにも、何らかの理由により休業せざるを得なくなった場合に経済的なサポートを行う「休業補償」や、子育て支援を目的としている「子ども・子育て拠出金」といった内容も、法律で定められている「法定福利厚生」に含まれています。このように社会保険に加入している場合には、もしもの時に手厚い支援が受けられる点が大きなメリットであるといえるでしょう。

また、法定福利厚生のほかにも会社によっては独自の福利厚生制度を用意している会社もあります。交通誘導員として働く会社を選ぶ場合には、社会保険を含む福利厚生が手厚く用意されているところを選ぶことをおすすめします。

まとめ

交通誘導員として働く際に知っておきたい、社会保険について紹介してきました。社会保険へ加入できるかどうかは会社の規模や雇用形態によって異なるものの、条件を満たしていれば加入が可能です。

社会保険に加入した場合には給料から保険料は天引きされるものの、万が一のときに自分自身や家族の生活を支えてくれる制度であるため、働き始める前に社会保険に加入できるかどうかはしっかりと確認しておきましょう。