交通誘導警備員のアルバイトとは

交通誘導員のアルバイトを検討している方に向け、アルバイトの仕事内容やメリット・デメリット、労働環境、平均時給などの情報を網羅的にまとめています。最近では女性の交通誘導員の求人も増えてきました。男性だけではなく、ぜひ女性も参考にしてみてください。

交通誘導警備員のバイト、仕事内容

バイトであれ社員であれ、交通誘導警備員の仕事内容自体には、大きな違いはありません。基本的には、次の4つのどれかになります。

道路工事現場での交通誘導

道路工事の影響で一時的に片側通行となる現場、あるいは一時的に通行止めとなる現場において、一般車両が安全かつ円滑に移動できるよう適切な誘導を行います。あわせて、工事現場に出入りする工事車両の誘導も行います。

多くの現場は一般道路となりますが、警備会社によっては、高速道路や有料道路の現場が多くなる場合もあります。

建設工事現場での車両・歩行者誘導

建物の工事現場周辺において、一般車両が安全に通行できるよう、また歩行者が安全に通過できるよう、適切な誘導を行います。また、頻繁に出入りする工事車両を、周囲の安全に配慮しつつ適切な向きで敷地内まで誘導する仕事もあります。

商業施設周辺での交通誘導

商業施設の周辺は、車と歩行者が混在する交通リスクの高いエリア。お客さんの安全を守るため、また車を円滑に誘導するため、警備員の存在は非常に重要となります。

具体的に交通誘導警備員が配置される場所は、駐車場の出入口と駐車場内。駐車場の出入口では、歩行者と車が接触しないよう安全な状況を整えるとともに、駐車場から出た車が道路を走行中の車と接触しないよう、車道にも注意する必要があります。

駐車場内においては、歩行者の安全を守りながら車を安全に駐車できる場所へと誘導します。

人が多く集まる単発イベント会場

他にも、お祭りや花火大会、コンサート、スポーツイベントなど、主に人が多く集まる場所において、歩行者の安全を確保するための交通誘導が行われています。配置される場所は、会場の出入口付近や会場内となります。道を聞かれたりトイレの場所を聞かれたりすることが多いので、事前にイベント会場の要所を覚えておくことが肝心です。

どんな人が向いているのか

交通誘導警備員には、次のような人が向いているでしょう。

体力に問題のない人

「体力に自信のある人」であればより良いのですが、たとえ自信がなくても、体力に大きな問題がない人ならば、交通誘導警備員は務まります。真冬や真夏の警備は大変ですが、体力に問題のない人ならば乗り切れるでしょう。

瞬時に冷静な判断ができる人

実際の交通誘導の現場においては、事前の研修では習っていない突発的な事態が起こることがあります。経験も想像もしたことのない事態に対し、冷静になって状況判断をし、適切な対応ができるかどうかは、交通誘導警備員の大事な素質となります。

車の感覚が分かる人

「この車とあの車は、この幅の道路ですれ違えるか？」等々、車体感覚が必要となる場面が多々あります。運転免許を持っていなかったとしても、学習したり考えたりすれば身に付く感覚です。

まじめな人

交通誘導警備員は、多くの人と社交的に関わる仕事ではありません。そのため、人付き合いが苦手という方でも、特に問題なくやっていける仕事です。

ただし、仕事内容がそのまま他人の命に直結する以上、まじめに働ける性格であることは必須条件となるでしょう。

覚えなければならない事

一般車両や工事車両に向けた合図の仕方や、同じ現場に立っている同僚警備員への合図の仕方、無線機の使い方など、覚えるべきことはたくさんあります。初期研修でしっかりと教えてもらえるので、現場の初日を迎えるまでに、きちんとマスターしておきましょう。

他にも、誘導灯や警笛の使い方、反射直帰やヘルメットの着用の仕方、作業日報の書き方など、細かく覚えることがたくさんあります。「警備員は立っているだけの仕事」という先入観を持っていた人は、実際にその仕事を始めてみると、覚えることややることがとても多いことに驚くことでしょう。

もちろん覚えきれないほどの量ではないので、自信を持ってアルバイトに申し込んでみてください。

夜勤、日払いはできる？

正社員はもちろんですが、たとえアルバイトの身分であっても、本人が希望すれば夜勤で働くことができます。また、警備会社にもよりますが、日払いに対応しているところもあります。

以下、夜勤の交通誘導警備の仕事内容や夜勤で働くメリット・デメリットを見てみましょう。

夜勤の交通誘導員の仕事とは

夜勤の場合、日勤とは異なり商業施設やイベント会場での人の誘導は、ほとんどありません。たいていの夜勤は、道路工事現場における交通誘導です。日勤と同様に、片側交通や通行止めによる車両の誘導、および、歩行者の安全確保などが仕事内容となります。

夜勤と聞くと、反射的に「大変な仕事」と感じる人が多いようですが、交通誘導員の場合は、必ずしも夜勤だからと言って大変なわけではありません。むしろ夜勤のほうが「楽だ」と言う交通誘導員もいるほどです。

「楽だ」と感じる理由は、日中に比べて夜間の交通量が少なくなるから。都会のど真ん中で交通誘導をするなら別ですが、基本的に夜間の道路は閑散としているので、日勤ほどの体力は要りません。

ただし夜間は視界が悪くなるため、ちょっとしたミスで重大事故へとつながるリスクがあります。体力的には楽かもしれませんが、精神的には気を抜くことのできない大変な仕事であることは、日勤も夜勤も変わりません。

夜勤で交通誘導員の仕事をするメリット・デメリット

夜勤で交通誘導員の仕事をする最大のメリットは、日勤よりも給料が高いという点でしょう。法律により時給アップが約束されている上、中には夜勤手当をプラスして支給してくれる会社もあります。また、夜勤は残業が入ることも少なくないので、日勤専門の交通誘導員に比べると、月収は大きく上回る可能性があります。

一方でデメリットは、生活リズムが崩れること。平日は夜に仕事をして昼に寝る生活をする一方、土日は友人付き合いなどで時間が逆転するなど、なかなか安定した生活リズムを定着させることが難しいようです。

アルバイトの労働時間、環境

交通誘導員のアルバイトに関して、労働時間や労働環境の特徴を見てみましょう。所属する警備会社や派遣される現場によって事情が異なることがありますが、基本的には次の3つが特徴と考えて良いでしょう。

基本的には労働時間が厳格に守られる

近年ではブラック企業が激減してきたと言われていますが、それでも一般的なサラリーマン社会では、適度な残業は文化のようなもの。毎日確実に9:00～17：00だけ働いて帰宅している人は、むしろ少数派と思われます。

ところが交通誘導員のアルバイトは、逆に決まった勤務時間のみ働いて帰宅できることのほうが普通。なぜなら、道路の使用許可時間を超えて工事を行っていると、警察に厳しく注意されるからです。

時間通りに仕事が終わるどころか、逆に予定よりも早く仕事が終わることもしばしば。早く終わったとしても1日分の給与が支払われるので、収入面の心配はいりません。

他の仕事に比べて休憩時間が多い

現場の中には、交通誘導員が1人で対応できるところもありますが、そのような現場であっても、通常は2人以上の交通誘導員を配置します。理由は、現場での様々なリスク（急なトイレなど）を避けるためです。1人で対応できる現場に2人が配置されるということは、勤務時間の半分が休憩時間になるということになります。

なお実際には、2人で対応できる現場に3人の交通誘導員が配置される例はよくあります。この配置の場合、2時間仕事をして1時間休憩する、というサイクルになります。

一般の会社では8時間の拘束に対して1時間の休憩しか取れないので、それに比べれば、王通誘導員の休憩時間はとても多いと言えます。

人間関係が面倒臭くない

たとえ現場に複数の交通誘導員が配置されたとしても、それぞれは自分の持ち場に立つ形になるため、仲良くコミュニケーションなどを取る必要はありません。最低限の申し送りや伝達は必要ですが、基本的には自分一人でこなしていく仕事になります。

もちろん、自分から積極的に動けば、たくさんの仲間や友人を多く得られる環境ですが、それを望まなくても問題なくやっていけるのが交通誘導員という仕事です。

交通誘導警備員のアルバイトのメリットデメリット

交通誘導員のアルバイトの主なメリット・デメリットを見てみましょう。

メリット

入社のハードルが低い

薬物乱用歴のある人や反社会勢力の人、住所のない人などを除き、基本的には希望すれば誰でも採用してもらえるのが交通誘導員の大きなメリット。フルタイムで働けば、たとえアルバイトでも十分に余裕のある生活が可能です。

仕事が楽なことがある

配置される現場によっては、ほとんど車両や歩行者が通らないなど、仕事らしい仕事をせずに一日が終わることもあります。ある意味、ヒマ過ぎる現場も辛いものですが、そうとは言え、忙しすぎる現場よりは良いのではないでしょうか。

仕事が早く終わっても1日分の給料が出る

現場によっては、予定の勤務時間よりも早く仕事が終わることがあります。交通誘導員のアルバイトは、一般的に日割り計算で給与が決まるため、たとえ早く仕事が終わっても1日分の給与が支払われます。ネット上では「20分しか働いていないのに1日分の給料が出た」と語る元・交通誘導員も。

デメリット

デビュー当初は足が棒になる

現場デビューしてからしばらくの間は、ほとんどの人の場合、足が棒になります。そのため、当初は「かなりキツい仕事だな…」と感じると思いますが、ここで負けてはいけません。なぜならば、わずか数回の勤務で足が慣れてくるからです。1週間程度勤務すれば、ほとんど足の疲れを感じなくなるでしょう。

真夏や真冬の仕事はとても大変

真夏の日中の警備や真冬の夜間の警備は、非常に大変です。どちらかと言えば真夏のほうが大変、という声を多く聞きます。

いかに大変であれ、同じ社内には何年も交通誘導員を続けている先輩もいるはずなので、実際に真夏や真冬の勤務になったときには、先輩にアドバイスを仰ぐようにしましょう。

理不尽なクレームを一身に浴びることがある

普段使っている道路に工事が入ると、片側交通などのストレスから、交通誘導員に強いクレームを投げかけてくるドライバーがいます。交通誘導は公益に資する仕事なのですが、なかなか理解されない面もあるようです。

交通誘導警備員のアルバイト平均時給

交通誘導員のアルバイトの時給は、全国平均で994円です。地方別では関東地方が最も高く1,027円。逆に北海道・東北地方が最も安く896円となっています。

なお、多くの警備会社は、アルバイトであっても時給制ではなく日給制を採用する傾向があります。

※参照：求人ボックス　求人ナビ（https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/%E4%BA%A4%E9%80%9A%E8%AA%98%E5%B0%8E%E3%81%AE%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%83%BB%E6%99%82%E7%B5%A6）

交通誘導警備員のアルバイトは女性でもできる？

結論から言うと、交通誘導員のアルバイトは、女性でも問題なくできます。実際に交通誘導員の求人情報を見てみれば分かりますが、ほとんどの警備会社では、性別を問わずに募集しています。

確かに「警備や交通誘導は男性の仕事」というイメージはありますが、それはあくまでもイメージの中だけでの話。警察には婦人警官がいるように、警備会社にも女性の警備員がいても、何も不思議ではありません。

女性が不利になることはないか？

たとえば土木作業員などのように、強い筋力を要する仕事の場合、男性より女性のほうが不利になることは避けられません。

一方で交通誘導員の仕事には、特別な筋力は不要です。普通程度の体力さえあれば、性別に関わらず誰でも同じようにこなしていけるのが、交通誘導員の仕事の良い点と言えるでしょう。

同じように仕事をこなしていける以上、男性であろうと女性であろうと、基本的に給与のルールは同じ。収入面で女性が不利になることも、通常はありません。

女性の交通誘導員だからこそ喜ばれるシーンもある

商業施設周辺やイベント会場周辺での交通誘導はもちろんのこと、道路上での交通誘導であっても、歩行者の方やドライバーの方と多く接する機会があります。道を尋ねられたリ、トイレの場所を尋ねられたリすることもあるでしょう。

この時、交通誘導員が男性であれば、中には「ちょっと聞くのが怖いかも…」と感じ、道を尋ねることを諦める人がいるかもしれません。逆に交通誘導員が女性であれば、女性の物腰柔らかいイメージから、ほとんどの人が安心して道もトイレも尋ねてくるはずです。

周囲に安心感を与えながら交通誘導をできること。これは、女性の交通誘導員ならではの特徴ではないでしょうか？