交通誘導員のキャリアアップ方法

交通誘導員は、未経験からはじめられて、キャリアアップできる仕事です。キャリアアップすると給料が上がったり、仕事の幅が広がったりと、仕事のモチベーションにもつながるでしょう。ここでは、交通誘導員のキャリアアップ方法について紹介します。

交通誘導員がキャリアアップする方法

交通誘導員として仕事に慣れてくると、キャリアアップを意識する人も少なくありません。交通誘導員は、キャリアアップできる仕事です。そろそろキャリアアップしたいと考えている方は、その方法を具体的に確認しましょう。

交通誘導員のキャリアアップには、大きく分けて2つの方法があります。ひとつは、実務経験を積むこと。もうひとつは、資格取得です。

実務経験を積む

まずは実務経験を積むことが重要です。交通誘導員として働いて、実務経験を積んでいきます。キャリアアップして管理者を目指すのであれば、現場での業務経験は欠かせません。地道なようですが、確実にキャリアアップしていけます。

もうひとつのキャリアアップ方法である資格取得の場合も、実務経験が取得条件に関わってきます。交通誘導員は、最初の仕事に配属される前に研修があります。研修で実務に必要なことを学び、実務を通して実践し、色々な対応を経験してキャリアアップしていきます。

資格を取得する

地道に実務経験を積んでいくだけでなく、大きくステップアップしたいと思ったら、資格取得を検討しましょう。交通誘導員になるために資格は必須ではありません。しかし、資格があると仕事の範囲が広がり、確実にキャリアアップできます。

警備員指導教育責任者

他の警備員を指導する立場になりたい人におすすめの資格が、警備員指導教育責任者です。警備業を営む事業所に必ず一人は警備員指導教育責任者を配置する必要があります。事業運営の必須要件のため、資格を取得していると重宝されるでしょう。

警備員指導教育責任者には、警備業務の種類があり、1号警備から4号警備まであります。交通誘導警備業務・雑踏警備業務は2号警備です。

都道府県公安委員会が実施する警備員指導教育責任者講習を受講して、修了考査に合格すると資格を取得できます。

警備業務検定

一定程度の警備業務に関する知識・スキルがあることを認定する国家資格です。以下の6種類に分かれています。

• 施設警備業務検定
• 交通誘導警備業務検定
• 雑踏警備業務検定
• 貴重品運搬警備業務
• 核燃料輸送警備業務検定
• 空港保安警備業務検定

交通誘導員は、交通誘導警備業務検定を取得するのがおすすめです。高速道路など、警部する場所によっては1級取得者の配置が義務付けられています。資格を持っていると、こうした現場で管理的立場として仕事ができます。

警備業務検定1級の受験資格は、一年以上の実務経験です。交通誘導員として働きはじめたばかりの人は受験資格がありません。まずは2級から取得していくと良いでしょう。

機械警備業務管理者

機械警備業務は、赤外線センサーや振動感知センサー、監視カメラなどの機械を使った警備業務のことを言います。機械警備を行っている警備会社の営業所には、機械警備業務管理者を配置しなければいけません。

資格の取得方法は、都道府県公安委員会が実施する警備員指導教育責任者講習の受講です。修了考査に合格すると取得できます。

スキルを磨く（コミュニケーション能力やマネジメント力を高める）

交通誘導員は、車両や歩行者を適切に誘導するだけでなく、現場の安全を守る責任のある仕事です。より高いポジションを目指すには、以下のようなスキルを重点的に磨くことが重要になります。

コミュニケーション能力の向上

交通誘導員としてキャリアアップを目指すには、コミュニケーション能力の向上が欠かせません。現場では、運転手や歩行者、他の警備員とのスムーズな意思疎通が求められ、的確な指示を出せるかどうかが安全管理の鍵を握ります。

また、クライアントや上司への報告や交渉の機会も多く、適切な言葉遣いや説明力が評価につながることも少なくありません。万が一トラブルが発生した際には、冷静かつ的確に対応できるかどうかが重要視されるため、普段から円滑なコミュニケーションを意識することが大切です。

具体的なスキルアップ方法として、以下の3点を意識しましょう。

• 敬語やビジネスマナーを学ぶ：
  クライアントや取引先とのやり取りが増える管理職を目指す場合、正しい言葉遣いや報告の仕方が求められます。謙譲語と尊敬語の違いなど、理解して使うようにしましょう。
• 伝え方の工夫をする：
  例えば、運転手に「少し待ってください」ではなく、「10秒ほどお待ちいただきます」と具体的に伝えることで、よりスムーズな対応が可能になります。そういった対応が、会社への評判にもつながるのです。
• トラブル時の対応訓練を行う：
  交通誘導の現場では、クレームや危険な状況が発生することもあるでしょう。落ち着いて適切に対応する力が求められるため、ロールプレイング研修などを受けるのも有効です。

リーダーシップ・マネジメント力の向上

交通誘導員として昇進を目指すには、リーダーシップやマネジメント力の向上が欠かせません。現場では、複数の警備員と連携し、安全でスムーズな誘導を行うための指示出しやチームの統率が求められます。

また、管理職やリーダーの立場になると、クライアントや施工会社との調整業務が増え、交渉力や問題解決能力も必要になります。指示を的確に伝える力や、チーム全体をまとめるコミュニケーションスキルを磨くことで、信頼されるリーダーへと成長し、より高待遇なポジションへとキャリアアップできるでしょう。

• 現場の全体像を把握する習慣をつける：
  自分の業務だけでなく、他のスタッフの動きや課題を把握することで、管理職としての視点を養えます。興味の無かった他の仕事へ興味を持つのは難しいことですが、まずは話しかけて人を知る事から始めるとよいでしょう。
• 後輩や新人に積極的に指導する：
  指導経験があると、チームリーダーや教育担当への昇進がスムーズになります。指導できる人だと認識されると、その指導力をより広く生かすために、上のポジションを用意する会社は多いものです。
• 時間管理能力を高める：
  交通誘導の仕事では、工事の進行状況に応じて臨機応変な対応が求められます。スケジュール調整ができる人材は昇進のチャンスが増えるでしょう。

危機管理能力の向上

現場では事故を未然に防ぐ「リスク予測能力」が求められ、歩行者や車両の動きを先読みし、適切な指示を出せるかが安全確保の鍵となります。

また、緊急時には冷静かつ迅速に判断し、適切な対応を取る力が評価されます。企業側も、安全を確保できる人材を管理職として重視しているため、日頃から危険を察知する意識を持ち、トラブル対応の経験を積むことで、より責任のあるポジションへの昇進が期待できるでしょう。

• 過去の事故事例を学び、対応策を考える：
  同じミスを繰り返さないように、事故事例を調査し、どうすれば防げたかを考える習慣をつけるようにしましょう。すでに他の対策があったとしても、考えるということが大切です。上からの指示に従うだけの人も多い中、自分で考えて意見を出せる人は、思っている以上に少ないのです。
• 緊急時対応のシミュレーションを行う：
  例えば、「急に歩行者が飛び出してきた場合どうするか？」といったシナリオトレーニングを行うと、実践的な対応力が身につくでしょう。

将来的に独立する

交通誘導員としてキャリアを積んだ後、さらなるステップアップとして独立して警備会社を立ち上げる道もあります。これは単なるキャリアアップではなく、経営者としての視点を持ち、ビジネスを展開する選択肢になります。

独立して警備会社を立ち上げるまでのステップ

最終的に独立して警備会社を立ち上げるには、段階的な準備が必要です。

まずは現場での実務経験を積み、最低でも5年以上の経験を持ち、チームリーダーやマネージャーとしての実績を作ることで、独立後の経営基盤を強化できます。

次に、警備員指導教育責任者や交通誘導警備業務検定1級など、警備業を運営するために必要な資格を取得し、事業の幅を広げる準備を整えます。その後、警備業を開業するための法的手続きを進め、都道府県公安委員会から警備業の認定を受ける必要があります。

こうした準備を着実に進めることで、安定した警備会社を経営し、より大きな収益を目指す方法もあります。

警備の仕事は未経験から挑戦可能

交通誘導員の仕事は、未経験から挑戦できる仕事です。未経験からでも、経験を積み重ねて警備系の資格を取得することで、キャリアアップが目指せます。年齢も関係なく、40代・50代の未経験から十分活躍することが可能です。面接を受けて採用が決まると、警備会社の研修を受けて現場で働けるようになります。最初は仕事に慣れるのに大変かもしれませんが、余裕が出てきたらキャリアアップを意識してみてはいかがでしょうか。