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あまり考えたくないことではありますが、交通誘導を行う中では交通事故が起きてしまう可能性もゼロではありません。
もし交通誘導員の指示が原因で事故が起きた場合、その責任の所在はどう判断されるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。そこで、このような場合にはどのように過失の判断がされるのかについてご紹介します。
交通誘導員の指示による事故について、その責任を問われるかは「ケースバイケース」となります。前提として運転者は安全配慮義務等を負っているため、自身でも周りの安全を確認しなければなりません。ただし、誘導ミスの内容や事故の程度、状況に応じては交通誘導員も責任を追求される場合もあります。
まず、「交通誘導員」と「警察官」の違いを見ていきましょう。
交通誘導員の場合、警備業法15条に「警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たっては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」と規定されおり、交通誘導員が自動車の誘導等をしていたとしても、そこには何らかの権限が与えられているわけではないことがわかります。すなわち、警察官が行う交通整理のような強制力はありません。
ちなみに、警察官は道路交通法6条の各項において、その権限として交通規制ができると定められています。場合によっては信号機と異なる手信号を送ることも可能であり、歩行者・車両は警察官が示す手信号に従う必要があります(同法7条)。
交通誘導員として仕事をしている中で万が一交通事故が起きた場合、その責任は交通誘導員にあるのか、それともドライバーにあるのか気になるところです。そこで、交通事故が起きてしまった場合にはどのような判断になるのかを見ていくことにしましょう。
交通事故が起きた場合、もし交通誘導員の誘導ミスがあったとしても、運転者に過失があれば運転者はその事故の責任を負うことになります。これは、自動車を運転する人は安全配慮義務等を負っているので、交通誘導員の誘導があったとしても安全確認等は自分で判断する必要があるためです。
上記で説明した通り、警備員は交通整理に特別な権限を持っているわけではありませんので、もし誘導員が進むように誘導したとしても、運転者自身が危険と感じた場合にはその誘導に従う義務はないのです。
以上のことから、通常の交通事故の刑事責任においては運転者の過失有無が検討されることになり、誘導ミスに関しては検討時の一つの要素程度となることがほとんどのようです。
ただし、あまりにも誘導ミスの程度が大きく、そのミスにより重大な事故が起きた、という場合にはその限りではありません。
また、交通誘導員の誘導ミスによって交通事故が起きた場合、民事責任についても過失のある運転者は責任を免れないと考えておきましょう。民事責任とは、「被害者に対する損害賠償責任」のことを指しますが、故意または過失によって事故が起き、他に被害が生じた以上は、運転者はその責任を免れることは難しいのです。 しかし、誘導員がどの程度のミスをしたのかということや、そのミスが交通事故にどの程度関連しているか、そして事故の状況などによっては、運転者だけではなく誘導員側についても事故の責任を問われる可能性は十分に考えられます。
上記で説明したように、運転者だけではなく交通誘導員にも責任があると認められた場合には、それぞれが被害者に対して損害賠償義務を負うことになります。この場合、それぞれの過失の程度などを考慮して損害賠償の負担割合が決められます。
ここでは、交通誘導員の責任が追求されたケースについて、具体例を挙げながら見ていくことにしましょう。
まず、警備員の不十分な誘導が原因として発生したとされる単独事故の例をご紹介します。
駐車場で、車とポールが接触する単独事故が起こりました。このケースの場合には、「運転手自身が駐車場のポールと車の位置を調整するべきであった」として、運転者の方が過失の程度が大きいと判断。このことから、交通誘導員と運転者の過失割合は「3対7」と認定されています。
また、片側交互通行の現場での交通事故の例を紹介します。
この現場では、片側交互通行の両端には工事用の簡易信号機が設置されていたものの、交通誘導員が白旗を持って工事車両を誘導していました。この時、信号機が赤だったにも関わらず、交通誘導員が掲げていた白旗が自分への指示と勘違いした一般車両が発進。高速で走行を行なったため事故が起きています。
このケースでは、赤信号の見落としや高速走行など、運転者の過失が大きいと判断されており、誘導員と運転者の過失は「1対9」と認定されています。
万が一交通事故が起きた場合、責任の所在はどう判断されるのかといったことについて説明しました。事故が起きた場合には、それぞれの過失の割合や事故の状況など、さまざまな面を考慮した上で判断が行われます。さらに、運転者の多くは交通誘導員の指示を信じて運転をしていますので、周りをよく見て安全に十分配慮した交通誘導を心がけることが必要といえるでしょう。
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