交通誘導員は人手不足って本当？

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交通誘導員が人手不足といわれる理由について、詳しく解説します。需要の高さや交通誘導員の将来性についても紹介していきます。

交通誘導員は人手不足傾向

交通誘導員は警備業に分類され、その中でも交通誘導、イベントなどでの雑踏警備を行うのは「２号警備」と呼ばれています。事業者数も労働者も多く、需要も常にある状態ですが、求職者が集まりにくく人手不足の傾向にあります。

求職者が集まりにくいのは、基本的に交通誘導員は野外勤務となるため、労働環境が厳しいということがあげられるでしょう。

夏や冬は特に厳しく、真夏の炎天下や雨、雪など労働条件が気象条件に大きく左右されます。

さらに交通誘導員は現場が短期間で変わるという特性もあります。働くメンバーが常に入れ替わることが多く、人間関係を築くことも難しくなります。常に違う人と仕事をするので、向き不向きが大きく分かれてしまうこともあります。

交通誘導員が人手不足になってしまう理由とはどのようなことでしょうか。原因を見ていきましょう。

交通誘導の需要は常に多いです。需要が多いのに、それに応じた人員を確保するのが難しいために人手不足となっており、人数が少ないという訳ではありません。

求められる人数の交通誘導員が足りていないという状況なので、人手不足と言われています。現にいたるところで道路工事やさまざまな建設工事が行われていますが、これらすべての現場で交通誘導員が必要とされています。

交通誘導員の仕事は、基本的に屋外での立ち仕事です。季節により環境も過酷なため、ある程度の体力が必要とされます。

夏の炎天下では熱中症の心配もありますし、冬の寒い中でも雨や雪の中で交通誘導を行わなければなりません。

悪天候の中では体力を奪われ、精神的にもきつい状況の中での仕事となります。

労働環境が厳しいために体力が続かず、長期間働き続けることが難しくなります。

交通誘導員は警備業法に則って研修規定が定められています。雇用されたからといって、翌日からすぐに現場に出られるというものではなく、雇用形態に関わらず20時間以上の研修を受ける必要があります。

基本的に研修には4〜5日程度かかり、現場に出るまでに時間がかかることが人手不足の理由のひとつと考えられます。

また勤務し始めてからも、年に16時間以上の研修が義務化されており、この期間の給料が割安となってしまうことも人手不足の原因となっています。

さまざまなところにAIなどの技術が使われ、無人化が進む傾向にあります。警備についても防犯カメラや遠隔監視システムなどの普及によって、無人化へとシフトしていくのは否めないでしょう。

ただし警備や交通誘導の需要がなくなる訳ではありません。また、システムの操作など警備や交通誘導に関する新しい技術やスキルを身に着けていけば、活躍の幅が広がることも考えられます。

交通誘導員は基本的に資格が必要ないため未経験でもはじめやすい仕事ですが、警備に関する国家資格を取得すれば、収入や待遇面で有利になります。

例えば、「交通誘導警備業務検定」は一般道における交通誘導で２級以上の有資格者の配置が義務づけられており、持っていれば優遇されるでしょう。

AIやロボットが警備員の仕事をサポートしていることは間違いのないことであり、将来的にも無人化を目指す可能性は高いといえます。しかしながら、完全に無人化できない仕事もあり、交通誘導はそのひとつです。

道路工事や建設工事現場での交通誘導は、一般の人の通行を確認し、資材の搬出入などに伴うトラックや人の出入りを監視して誘導を行わなければなりません。さまざまな状況を把握して誘導する必要があるため、どうしても人による目視や指示でなければ対処できません。

また工事関係者はともかく、一般通行人に不便を与えていることを考慮すると、人が対応することでストレスを緩和できるというメリットもあります。

これらのことから、交通誘導員は今後も人でなければ対処できないと考えられ、需要が高い仕事といえます。